新生児搬送された子どもの3歳の時の発達のようす -

背景:母体搬送と新生児搬送


 

何を調べたの?

新生児搬送された赤ちゃんが3歳になった時に、発達に遅れがあるかどうかを調べました。
 

対象は?

エコチル調査に参加した子どものうち、双子などではなく1人で生まれ、生まれつきの病気がなく、新生児搬送の記録と、3歳時の発達評価の結果がそろっている約6万5千人を調べました。
 

どんな結果が出たの?

下のグラフにあるように、新生児搬送された子どもは、そうでなかった子どもに比べて、3歳の時に「言葉」「体の動き」「手先の動き」「考える力」「人との関わり方」などの発達に遅れのあるリスクが、約1.2~1.5倍に高くなることがわかりました。予定日近くに生まれた子どもでも、少し早く生まれた子どもでも、同じような傾向がみられました。

新生児搬送のあり・なしと、3歳時の発達の遅れの関係


◎このグラフは、次のような条件の影響をできるだけ取り除いた分析結果にもとづいて作られています:

母親の年齢、結婚しているか、初産かどうか、不妊治療歴、帝王切開や麻酔の有無、妊娠合併症、妊娠中の飲酒・喫煙、
母親の学歴・妊娠中仕事をしていたか・世帯収入、子どもの在胎週数、出生体重、性別、出生時の仮死

グラフの見かた
グラフ内の数字はオッズ比、縦棒I95%信頼区間 を表しています。
・オッズ比:あるできごとが「どのくらい起こりやすいか」を2つのグループで比べた数。1より大きいと、「搬送された子の方が起こりやすい」ことを表す。
・95%信頼区間:「本当の値が入っていそうな範囲」を示す。縦棒Iが1をまたがなければ、「起こりやすい」といえる。
 

今後の課題は?

搬送された時の詳しい状況や、生まれた直後に受けた治療の内容まではわかりませんでした。
これから、さらに詳しい研究が必要です。
 

どんなことがわかったの?

赤ちゃんに治療が必要になりそうな場合は、できる限りNICUのある病院で出産することが大切です。
 

 
もっと詳しく知りたい人は こちら (和文抄録) または こちら (PubMed)

<この研究論文>
Long-term outcomes of children with neonatal transfer: the Japan Environment and Children’s Study. Hirata K et al.Eur J Pediatr. 2022.

 

お問い合わせ

エコチル調査コールセンター
9:00~22:00(フリーダイヤル・年中無休)

大阪ユニットコールセンター
平日 9:00~17:00(土日祝を除く)

お問い合わせはこちら

ボタン:Go Top