思春期のストレスは見えにくい
思春期のお子さんは、学校生活や友人関係、勉強や進路のプレッシャーなど、家庭の外で多くの刺激や負荷を受けるようになる年代を迎えています。
一方で、お子さんが自分の気持ちや状態を言葉で整理し、大人に伝えることは簡単ではありません。そのため、ストレスがあっても「つらい」、「困っている」と言葉で表現されにくく、ストレスがかかっていることが見えにくい時期でもあります。
ストレス反応の現れ方
ストレス反応は主に「身体面の反応」、「心理面の反応」、「行動面の反応」に分けられます。
特に思春期では、心理的な負担がまず行動の変化、睡眠・食事などの生活リズム・身体面の変化として現れることが少なくありません。これは、気持ちをうまく言葉にすることが難しい時期であることや、自立心が強まる一方で大人や友達など周りの目が気になる年頃にあることが背景にあります。
どのような行動の変化や身体症状が
ストレスのサインになりうるでしょうか?(1)(2)
・ 以前より口数が極端に減る、あるいは増える
・ イライラしやすくなる、怒りっぽくなる
・ 学校や外出を嫌がるようになる
・ 睡眠や食事のリズムが乱れる
・ 急に痩せた、あるいは太った
・ 頭痛や腹痛、めまい、だるさなどが続く
上記はストレスが行動の変化として現れる一例です。
これらはひとつひとつが直ちに問題を示すものではありません。ただし、これまでなかった変化が複数同時に見られるようになったり、長く続いたりする場合はお子さんに心理的な負担が行動や身体症状として現れている可能性があります。
国立成育医療研究センターによる全国規模の調査では、頭痛や腹痛などの身体症状を複数・高頻度で経験する子どもほど、気分の落ち込みや憂うつな気持ちが続くこと(抑うつ症状)と強く関連することが報告されています。(3)
周りの大人ができる観察と関わり方
このような思春期のストレスが行動に現れていることに周りの大人が気がついた際に大切なのは、行動の変化や身体症状の理由をすぐに決めつけないことです。これらの変化を「反抗」や「怠け」と捉えるのではなく、「何か環境の変化があったか?」、「生活リズムに無理が出ていないか?」などストレスがかかっているのだろうか、その背景はなんだろうかと考える視点を持ってみることを心がけてみてはいかがでしょうか。
また子どもに「あなたのことを気にかけている」、「心配している」ことをしっかりと伝え、話を聞いてみることもひとつです。また、状況によっては無理に言葉を引き出そうとするよりも、子どもの生活全体を整えることを意識しながら、必要に応じ学校や保健センターなどに相談できるよう窓口を知っておくことも大切になります。
行動の変化は子どもからのSOSサインかも
このように、思春期のストレスは行動の変化や身体症状として現れやすいという特徴があります。日常の小さな変化を見逃さず、「成長過程の一部」であると同時に「子どもからのSOSサイン」ではないかな?という可能性として捉えることが子どもの心身の健康を支える一歩になります。
エコチル調査大阪ユニットセンター
特任研究員 長澤 真衣子
【参考資料】
(1) 厚生労働省「子どものこころと向きあう | 子どものメンタルヘルス」https://www.mhlw.go.jp/kokoro/parent/mental/sos/sos_01.html
(2026年2月27日アクセス)
(2) 厚生労働省「ストレスとこころ | こころもメンテしよう」https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/kokoro/kokoro_03.html
(2026年2月27日アクセス)
(3) Shinno K, Ishitsuka K, Piedvache A, Morisaki N. Frequency and number of somatic symptoms in association with depressive symptoms in Japanese children aged 10–15: a population-based study. Eur J Pediatr. 2025;184(9):564.




