夜尿症の治療-

 夜尿症を治すためには、まず日常生活の改善から始めるべきで、以下のポイントがあります。

1.寝る前に排尿して寝る
2.寝る3時間前からは食事と水分を制限する
 (食べた食事や飲んだ水分は3時間以内に尿として出るため)
3.生活上のストレスは出来るだけ排除しておく
 (厳しい躾、保育園や小学校での人間関係、お稽古ごとなど)
4.睡眠の途中で無理に起してトイレで排尿させない
 (これは「トイレおねしょ」と言って、おねしょ同様に本人は全く覚えていません)

 夜尿症を治すための訓練として、膀胱トレーニングという方法があります。日中に尿意を感じたら、1日1回でも少し我慢するようにします。これにより尿意というものを徐々に身体に覚えこませるのです。ただし、やり過ぎは膀胱炎などの感染症の危険がありますので、専門医による診断と指導のもと行ってください。そして、生活習慣の改善や膀胱トレーニングでも改善しないような重症の場合には、夜尿症の原因となる病気が隠れていないことを確認した上で、薬物療法(尿を少なくする薬、膀胱を大きくする薬)を用いる場合があります。しかし、夜尿症が改善したとしても投薬を中止すると再発することもあるため、あくまでも治療の根本は尿意を覚えこませることにあります。

 おねしょは、夜尿症となる6歳以降も毎年10人に1人の割合で自然に治っていくと考えられており、暖かい時期にはその可能性が高くなります。何かをきっかけに突然治ることもありますが、おねしょした回数が減らなくても、おねしょの量が少なくなったり、より朝方におねしょをするようになったりしてくると、おねしょが治ってくる兆しと考えてください。

 夜尿症の治療の基本は、『あせらない、怒らない、起さない』と古くから言われていますが、おねしょが治る兆しが全くみられない場合、おねしょの量が多い場合、特に治っていたおねしょが再発した場合は、かかりつけ医や専門医の診察を受けるようにしてください。稀に、糖尿病や脳腫瘍などの重大な病気が隠れていることもあるためです。

 
エコチル調査大阪ユニットセンター 小児科医
高桑 聖

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