がんばり過ぎない子育て-

 家事、育児や仕事に追われ忙しい日々をお過ごしかと思います。育児には正解がなく日々奮闘されていることでしょう。父親の育児参加が増えましたが、育児はお母さんの役割が大きいのが現状ではないでしょうか。そのような中「良い母親」「完璧な母親」でなければならないと悩んでいるお母さんはいませんか。例えば、「子どものために母親は自分がやりたいことを全部我慢しなくては」「子どもが問題を抱えないように、子どもにとって最善の環境を整えてあげなくては」「将来のことを見据えて家の中では勉強やしつけの話ばかり」など、先回りしてお母さん自身で環境を整えようとすることはありませんか。
 けれども、親だけで子どもの将来のことを考えて行動をしても、子どもがそのことに納得していなければ無気力になったり、思春期に過剰に反発したりすることがあります。また、子どもが自分の問題を自分で考えて自分の力で解決していく力を奪ってしまったりすることも多いのです。それでは、子どもや家族にとっての良い母親とはどんな母親なのでしょう。子どもが自分の問題を自分で考え、自分の力で解決する力を育むためにはどうあればいいのでしょう。

 イギリスの小児科医であり精神分析家でもあるドナルド・ウッズ・ウィニコット(Donald Woods Winnicott)は理想的な母親像を「good enough mother(ほどよい母親)」という概念で表現しています。

 「ほどよい母親」とは、特別に優秀な育児能力や育児への強い熱意を持っている母親のことではなく、どこにでもいるような子どもに自然な愛情と優しさを注ぎ一緒に過ごす時間を楽しむことができる母親と説明しています。
 「ほどよい母親」になるためには、まずは「良い母親」「完璧な母親」への執着を捨てることから始めましょう。完璧を理想とせず、子どもが求めてきた時にきちんと気づいてあげ、“ほどよく”ケアしてあげることが大切です。お母さんだって1人の人間です。お父さんや周囲の人の力を借りて、時には自分のやりたいことを優先してみてはいかがですか。そして、お子さんが悩んでいたり落ち込んでいる時には話を聞いてあげ、一緒に解決方法を考えてあげてください。
 お母さんの気持ちや時間も大切にし、頑張りすぎず、育児を楽しんでくださいね。

 

 
エコチル調査大阪ユニットセンター 臨床心理士
楠元 里奈

[資料]
小野寺敦子(2011)『手にとるように発達心理学がわかる本』かんき出版

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