子どもの紫外線対策-

 これから夏本番です。日差しが気になる季節になってきました。今回は、子どもの紫外線対策についてご紹介します。

 紫外線には、骨の育成に必要なビタミンDを体内でつくる働きがあります。日本人が 1 日に必要とされているビタミンDの量は、両手の甲が約15分、日光に当たる程度で吸収できると言われています。適度な日光浴は体によい影響をもたらしますが、一方で日光の浴びすぎには注意が必要です。子どもの皮膚は大人と比べて薄く、紫外線によるダメージを受けやすいです。紫外線対策をしっかりとったうえで、外で活動させるようにしましょう。

子どもの紫外線対策は以下の点に気をつけましょう。

紫外線の強い時間帯の外出を避ける

 紫外線は、朝夕は弱く、10~14時の間に最も強くなります。紫外線の強い時間帯に長時間外で過ごすことは、なるべく避けましょう。

日陰を積極的に利用する

 日陰の紫外線の量は、日なたの半分になります。外で遊ぶときは、樹木や建物の陰を積極的に利用しましょう。海水浴や行楽では、パラソルやテントを利用することをおすすめします。また、赤ちゃんをベビーカーに乗せるときは、日よけを利用しましょう。

服装に気を付ける

 帽子被るようにしましょう。帽子のつばが7㎝あれば、60%の紫外線をカットできます。また、薄手の上着(長袖・七分袖・襟付きなど肌を覆う部分が多いもの)を着せてあげましょう。熱がこもりにくい、淡い色のものがおすすめです。生地にUVカット加工がされているとより良いです。

日焼け止めを正しく使用する

日焼け止めの使用法
日焼け止めは、外に出る前に塗りましょう。説明書にある使用量を下のイラストのように、しっかりと均一に塗ることが大切です。2、3時間おきに重ね塗りをするとより効果的です。

子どもに適した日焼け止め

●「SPF15 以上」、「PA++~+++」のもの(目安)※ 

●「無香料」と「無着色」の表示があるもの 

●水遊びをする時は、「耐水性」または「ウォータープルーフ」の表示があるもの

 

※SPF(Sun Protection Factor)、PA(Protection Grade of UVA)は、日焼け止めの強さを表す指数です。それぞれ、数字、+の数が増えるにつれて、紫外線の予防効果が高くなります。ただし、日常生活(お買い物、お散歩など)においては、むやみにSPF、PAの値の高いものを使う必要はありません。

 子どもが成長するにつれて、外遊びやお出かけの機会が増えてくると思います。紫外線と上手につきあい、楽しい夏をお過ごしください。

 
大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学
青地 ゆり

参考文献 
●環境省「紫外線環境保健マニュアル 2015」 
● 国立環境研究所「体内で必要とするビタミン D 生成に要する日照時間の推定―札幌の冬季 につくばの 3 倍以上の日光が必要」https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.html
●日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会「保育所・幼稚園での集団生活における紫外線 対策について」

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