思春期早発症の治療-

 思春期が早く開始しても、一部の基となる病気が隠れている場合を除けば、命にかかわる症状にはなりません。しかし、少なくとも身長とこころの二つに問題が起こると考えられます。

 思春期が始まると性ホルモンの作用で身長は一気に伸びて大きくなりますが、そのまま伸び続けるわけではありません。思春期は早く始まった分だけ早くに成長が止まってしまうので、思春期が普通に始まった場合よりも最終身長は低くなります。このため、身長が低い子どもで思春期が早く始まった場合には、より低い身長で成長が止まってしまうことになります。

 また、女の子ではより低年齢で初潮が早まると、本人がその処理に対応できないとかクラス内での共感者が誰もいないなどの心理的な負担が大きくなることが予測されます。思春期に多くなる性ホルモンは体つきを変えるだけでなく、脳にも働いて大人の思考や行動パターンへと成長させますが、思春期早発症のように若い年齢で性ホルモンが脳に作用すると、脳が変化についていけず情緒不安定になることがあります。

 思春期早発症の治療として、一部の治療困難な疾患の場合を除けば、一般的には月1回の思春期を遅らせる皮下注射を行うことで思春期の進行を止めて、最終身長の改善や情緒の安定化、そして女の子であれば初潮を遅らせることが可能となっています。しかし治療開始が遅れるほど、特に最終身長を改善させる効果は少なくなるので、身長が低く終わってしまわないためにも早期発見と早期治療がとても大切なのです。

 今のこどもは親御さんの世代と比較しても決して早熟なわけではありません。こどもの体つきの変化を今のこどもは成長が早いからと片づけてしまわず、身長がよく伸びていると喜ぶのではなく、「成長が早過ぎる=思春期早発症」かもと疑いの目を持って専門医に相談されてみることをお勧めします。

 
エコチル調査大阪ユニットセンター 小児科医
高桑 聖

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