ビタミンDとくる病-

 今年春より詳細調査が開始されています。詳細調査とは、エコチル参加者の一部にお願いしている調査で、お子様の発達診断や血液検査、住んでいる環境を詳しく調べようとするものです。その血液検査にはビタミンDという項目が含まれています。

 ビタミンDは食事中から摂取されるビタミンで魚類、キノコ類、レバーなどに多く含まれていますが、日光浴により皮膚で合成される珍しいビタミンでもあります。ビタミンDには食事中のカルシウムやリンの吸収を高める作用があり、結果、骨を丈夫にします。このビタミンDが不足すると骨が丈夫にならないため、主に体重が大きくかかる脚の骨が曲がってしまう症状(O脚など)が起きます。これをビタミンD欠乏性くる病といいます。

 栄養不足や不衛生で栄養が十分に摂れなかった時代は、ビタミンD欠乏性くる病はありふれた病気でした。日本では、食料事情や衛生状態が改善した戦後まもなくより、ビタミンD欠乏性くる病は激減したようですが、平成に入り再び増加傾向にあると言われています。原因として、偏食や食物アレルギーなどでの間違ったもしくは厳格な食事療法や、紫外線の弊害が知られるようになった結果、日光に当たることを極端に控えるか、日焼け止めクリームを多用した影響であると考えられます。

 厚生労働省が発表する国民健康栄養調査によると、小児期に食事から摂取されるビタミンD量は、同機関が推奨する必要なビタミンD量の6〜7割にしか達しないようです。しかし、小児期に必要なビタミンD量は医学的根拠が十分ではなく、不足分は日光浴で補われる可能性もあるため、食事からのビタミンD不足がすぐに問題となる訳ではありません。それでも、前述したように子どもがあまり好きではない魚類、キノコ類、レバーなどにビタミンDが多く含まれており、外で遊ぶ機会が減っている現代の子どもの生活スタイルと合わせると、慢性的なビタミンD不足になりやすい危険性を含んでいます。

 これから迎える冬は日光によるビタミンD合成が最も減るため、ビタミンDがより不足する季節となります。ビタミンD不足は、くる病だけではなくある種のガン、発達障害やうつ病などとの関連も言われており、日頃から偏食なく食べる食育を行い、ビタミンD不足に陥らないことが重要と考えます。

 
エコチル調査大阪ユニットセンター 小児科医
高桑 聖

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