お母さんとお子さんの栄養 ~塩分摂取について~-

 幼少期は、お子さんの生活習慣の形成にとても大事な時期で、それには、お母さんや家族の生活習慣の影響が大きいというお話を耳にすることがあるかと思います。今回は、大人と子どもにおける塩分摂取の状況や減塩の効果などについてお話します。

日本人の塩分摂取の状況

 日本人は昔から欧米人に比べて塩分摂取量が多いという特徴があります。日本人の主食のご飯のお供を思い出してみると気づくと思いますが、お味噌汁やお漬物、佃煮など塩味が濃い食品がとても良く合います。
最近の日本人の平均的な1日の塩分摂取量は、男性11.3g、女性9.6gで、年々低下しているものの(表1)、欧米人の男性10.3g、女性7.3g と比べて、未だに多いのが現状です。日本高血圧学会では、1日6g未満の塩分摂取を推奨していますが、なかなか現状の塩分摂取量をそこまで低下させることは難しく、「日本人の食事摂取基準」として、国は男性9g未満、女性7.5g未満を目標値としています。
 また、1~6歳のお子さんでは、1日の摂取量は5.3~6.5gで推移しています。「日本人の食事摂取基準」では、1~2歳で4g未満、3~5歳で5g未満、6~7歳で6g未満が目標値となっています。

お母さんとお子さんの塩分摂取の関係

 子どもの食生活や味の好みは、家庭の味付けなど親の食習慣の影響を受けて形成されるといわれています。子どもの塩分摂取は、とくにお母さんの塩分摂取の状況と関係があることがわかっています。一般的に、お母さんのほうが、お子さんと過ごす時間が多くて、一緒に食事する機会が多いからということも考えられますが、お母さんが味の濃い食べ物を好む家庭では、自然と家庭の食事の味付けも濃くなって、お子さんの塩分摂取量も多くなっている可能性があります。そして、そのまま、濃い味に慣れてしまって大人になっても塩気が多い食べ物を好んでしまうことが予想されます。 お母さんが日ごろから、塩分を控えた薄味の食事を用意してあげることが、お子さんの将来の生活習慣病の予防にもつながっていくと考えられます。

塩分摂取と生活習慣病

 塩分の取りすぎが血圧を上昇させ、成人期以降の脳卒中になり易くなることが多くの研究から明らかになっています。また、塩辛い食べ物を好む方では、そうでない方に比べて脳卒中の死亡率が高くなることが日本人のデータから報告されています。
 逆に減塩の効果についても、多くの試験がなされています。これまでに行われた4週間以上の減塩を実施した介入試験をまとめた解析では、一般成人では、1 日の塩分摂取量を4.4g減らすことで、最大血圧4.2mmHg、最小血圧2.1mmHg 低下することが示されました。減塩による血圧値低下の効果は、年齢や性別、人種、高血圧の有無に関係なく認められています。

家族の健康のために

 まずは、塩分が多い食べ物や味の濃い食べ物を控えることが大切です。塩分の含有量など食品を選ぶ際には、栄養成分表示をチェックするなど工夫してみてください。その他には、お醤油やお味噌、ソースなど味の濃い調味料の代わりに、かつおぶしや昆布などのダシや唐辛子やこしょうなどの香辛料をうまく活用することをおススメします。
また、減塩と合わせて、カリウムを多く含むお野菜や果物を摂るように心がけることも高血圧予防に有効です。カリウムは、体内のナトリウム(塩分)を体外に排出するのを促して、血圧を下げる作用があります。また、たんぱく質やカルシウムも血圧を下げる効果があることがわかっていますので、バランスよくこれらの栄養素を摂取することを心がけましょう。

※この表は、厚生労働省のHPで紹介されている「加工食品に含まれる塩分」、「外食に含まれるおおよその塩分量」を引用したものです(一部、日本食品標準成分表 2010 より改変)。その他の食品についても掲載されていますので、減塩の参考にしてください。http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/kouketuatu/(2014年6月6日アクセス時点)
もっと詳しく知りたい方は、「日本食品標準成分表 2010」や食品成分データベースhttp://fooddb.mext.go.jp/をご参照ください。その他に、簡単に外食などの食品ついて、栄養素が計算できる HPhttp://slism.jp/calorie/もありますので、そういったツールも活用しながら楽しく減塩をすすめてみてください。

 また、最後になりましたが、大阪ユニットセンターの参加者の皆さまには、追加調査として尿中のナトリウムなどを測定させていただいております。いつもご協力ありがとうございます。お届けしている測定結果が、日ごろの皆さまの食生活を見直すきっかけとなり、ご家族の健康維持に役立てもらえれば幸いです。 今後とも、エコチル調査をよろしくお願いいたします。

 

大阪ユニットセンター 特任助教
池原 賢代

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